# ひとり親ワーキンググループ(案)   委員会をワーキンググループと言い換えています。 ## ひとり親と3つの資源 ### 3つの資源   これに加えて「健康」も入ってくるかと思いますが、個人差が大きい気がするのでここには含めていません。 **【お金】**   ワンオペ家事育児をしつつ仕事をこなすのは困難です。   一番わかりやすい資源ですので、行政からも支援があります。   ただし、支援が足りなかったり(第三子の児童扶養手当を5千円から1万円に上げるのに大きな議論が巻き起こりました)、簡単に支援が打ち切られたり(それほど所得が高くなくても一切の支援がなくなります。また、ひとり親控除は配偶者控除よりも条件が厳しくなっています)、決して手厚いサポートとは言えません。 **【時間】**   これまでに出会ったひとり親の方は共通して「お金よりも時間が足りない」とおっしゃいます。 (そもそもお金が足りていないひとり親の方は外に出てイベントに参加するなどが困難だと思いますので、それはまた別の問題があるのですが…) 「ちゃんとしないでいいんだよ」「手を抜いていいんだよ」「他の人を頼って」とアドバイスをされたりしますが、慌ただしい日々の中でそういった風に心持ちを変えたり頼る先を探したりというのは困難に感じます。   また、本来であれば受けられる支援にリーチできないケースもあるでしょう。(事情を知っている行政側から連絡をしてもらいたいものですが…) **【認知資源】**   認知資源の不足はそれ自体が知られていないように感じます。ひとり親本人でさえも意識できていないかもしれません。   人は朝起きてから多数の小さな決断を積み重ねています。そうして認知資源が枯渇すると「決断疲れ」を起こして決断ができなくなってしまいます。 (重要な決断をする大統領の認知資源を消費しないように、大統領に代わってその日着るスーツを選ぶ担当者がいるというのは有名なエピソードです)   従来であれば夫婦で考えるような子どもの習い事や進路やその他重要事項をひとりで考えて決断しなければなりません。これには大量の資源を消費してしまいます。 ### ひとり親の課題   もっとあると思いますが、ぱっと思いつくものを挙げました。 **【お金→就労問題】**   共働き世帯と同じだけの生活をするためには、半分の時間で倍稼ぐ必要があります。   子どもの行事や突然の発熱などに対応するために、そういったことに理解のある職場を選ぶ必要があります。   また、意外と気づかれていないのが、役所や金融機関などで手続きをするために平日の日中に仕事を抜ける必要があることです。ひとり親自身も考慮できていなかったりします。   よりよい環境への転職活動やスキルアップの時間が取れないのも問題です。活動ができないという直接的なストレスの他に、焦りや不安が募って子どもに強く当たってしまうといったことが起こりえます。 **【時間→生活の質】**   上述の転職やスキルアップなどの時間が不足する他、現在の生活を改善するための方法(引っ越しや転園など)を検討する時間が慢性的に足りません。   人によっては栄養や衛生面に気をつかう時間が足りずに問題が生じることもあるでしょう。   解決をするために睡眠時間を削ってしまい、結果的にそれがさらなる悪循環を生んでしまうこともあります。 **【認知資源→できてない問題】**   子どもを愛するためには余裕が必要だと思います。   また、愛していたとしても「十分なことをしてあげられていない」という思いに駆られることもあります。   脳が疲れていると「自分がやったほうが早い」となってしまい、本来であれば自分でやらせるべきこと(お片付けなど)を親がやってしまい、結果として子どもが能力を獲得するチャンスを奪ってしまいます。   子どもが成長するにつれ、「ちゃんとしてあげられなかった」といった自責の念が募ってきたりもします。 ### 絡み合う資源不足と総合窓口の欠如   この3つの資源は独立して存在しているのではく、それぞれに影響を及ぼしているのは明確です。 - お金がないから時間をお金で買えない - 時間がないから生活を改善するための施策を講じることができない - お金のことを細かく考える必要があるので認知資源を消費してしまう - 決断疲れにより現状維持を続けてしまい負のスパイラルにはまる - 資源を回復する時間がとれない   などなど。   さらに健康の問題も絡んでくるのでやっかいです。   現在、公的機関にはこれらを総合的に解決する窓口がないようです。とくに時間や認知資源の問題はそもそも知られていないように思います。   ひとり親のための就労支援は行政も民間団体も行っていますが、面談の時間になっても支援対象が現れないといったことが起こっています。   これは、認知資源の枯渇により(あるいはそれによる精神疾患のために)、計画を立てたり計画に従って行動する力が弱まっているためだと思いますが、メンタルヘルスの問題として片付けられているのがほとんどなのではないでしょうか。 ## 解決のための方針 ### 直接的アプローチと間接的アプローチ   対処療法と根本療法と言い換えてもよいでしょう。「どちらも同時に」が基本だと思います。 「こういった支援が受けられる」と案内するだけでなく、そもそもその支援を受けなければならない状況から脱するためのサポートができるのが理想です。   このため、後述のアイデアにはベーシックなスキルを育てるものを入れています。 ### ワーキンググループと持続可能性   ワーキンググループ(委員会)で講師を呼んでみなで学び、学んだメンバーが新たに参加したメンバーに伝えることで実践する。そういた流れができるとよさそうです。   たまたまスキルのあるプログラマーが就職して一気に売上げが上がったホームページ制作会社が、そのプログラマーが退職したことでそのまま消えてしまったという例を目にすることがあります。   このように、たまたまスキルのある人がいる時だけに成り立つ仕組みではなく、できるだけ長く続く仕組みができるとよいと思います。 ### 子どもと一緒に学ぶ   親たちが活動をしている間に子どもを一括してあずかる方式は必要です。   それとは別に子どもと一緒に学ぶといったことも模索できたらと思っています。例えば、英語やライティングは中学校までの基礎が大部分ですから、中学生とその親が一緒に学ぶのに適していると思います。   小学生の子どもであればボードゲームなどで思考力を育むといったこともできそうです。 ## いくつかのアイデア ### 総合窓口として **【制度を知る】** - ひとり親や子育て世帯に対する各種制度を調べてまとめます - 児童扶養手当などの行政による支援制度 - 離婚調停や慰謝料などの法律 - 就学援助や就学支援金など >[!memo] 弟(熊本在住)がスクールソーシャルワーカーなので協力してもらえるかもしれません。 **【民間の団体を知る】** - ひとり親を支援している民間の団体を調べてまとめます - どのような事例があるのかを知ります - あらかじめ繋がっておき、必要な時に必要な人を紹介します >[!memo] 福岡市であれば「あすみん」経由でアプローチできるかもしれません。 ### 種々の問題を同時に解決する **【ライティング】** - ライティング自体で副業も可能性が出てきます - 「書く」ことで「考える」ことができます - 「モーニングページ」や「バレットジャーナル」など生活改善のために書くという方法も学べるとよさそう > [!memo] ライターさんは何人か声をかけられると思います。 **【コーチング】** - 自分自身に対するセルフコーチング - 子どもに対するコーチング - 時間や頭の余裕がなくて自分や子どもとうまく向き合えない問題の解決 >[!memo] プロのコーチに依頼するとかなり費用がかかるので、まずは書籍の輪読会などでもよいかもしれません。 **【ITスキル】** - 基本的なITリテラシーの修得 - 就労支援の一環として - パソコンやスマホをうまく利用した生活の改善 >[!memo] 3つ目はオリジナリティの高い取り組みだと思います。Googleカレンダーをうまく使って脳の資源を節約するなど。 ### 子どもと一緒に **【職業について知る】** - 様々な職業が生まれていますが知られていないように思います - それぞれの職業の人から話を聞く機会があるとよさそうです - さらにそれをまとめて資料化できるとなおよい > [!memo] わが子が進路に悩んでいるので必要性を感じました。また、AI脅威論が一人歩きしているのも気になっています。 **【AI x 英語】** - AIを使って英語を学ぶ - 英語を使ってAIに指令を出す - AIを扱うには日本語よりも英語のほうが有利です - AIが話し相手になったり、オリジナルの教材を作ってくれたりします >[!memo] 書籍などで調べながら遊び感覚で触ってみるといいかもしれません。 **【グラレコ】**   グラレコ(グラフィックレコーディング)は、セミナー、会議、対話をグラフィカルにまとめる方法です。   話を聴く力、情報をまとめる力、相手に伝える力が養われます。   先にこれをやっておくと他をやる時に役立ちそうです。 > [!memo] 別件で講師を探しているところです。