# Neuro-Symbolic AIとは
[Neuro-Symbolic AIとは | IBM ソリューション ブログ](https://www.ibm.com/blogs/solutions/jp-ja/neuro-symbolic-ai/)
近年の人工知能や機械学習の技術的なブームは、ここ10年の深層学習の進化と隆盛によるものが大きいことは多くの人が知るところでしょう。深層学習は、大量の画像識別データセットからの畳み込みニューラルネットワークによる学習が有名です。その肝は、人手でチューニングした特徴量を用いるのをやめ、多層に構成したニューラルネットワークに、大量のデータから特徴抽出のしかた自体を学ばせること、そして、それを画像処理向けに特化して高性能化したGPUを使って高速に処理することにあります。一方で、現実の問題に適用していく上で、
・大量のデータがないと複雑な学習ができず、データ効率が悪い
・学習した内容はブラックボックスで、動作説明や解析ができない
・学習したデータと異なるドメインでは学習結果を活用できない
という問題が出てくることが頻繁にあります。
そこでIBM Researchが力を入れて研究を行っている最新のAI技術がNeuro-Symbolic(Neuro=ニューラルネットワーク、Symbolic=記号的表現に基づく)AIです。これは、深層ニューラルネットワークの強みと、シンボリック(記号的表現に基づく)AIの強みを併せ持ったAIを指向する取り組みのことです。シンボリックAIは、1950年代に遡る、第1次AIブームで支配的だったパラダイムで、知識を記号で表現し、問題を解くために推論など、記号上の計算を行います。強力な推論を行える一方で、すべての知識や事象を記号で表現することが一般的には困難だったために実用できる領域は限られました。しかし、一旦記号化された知識は、人間に解釈しやすい形態であり、さまざまなドメインに転用することが容易です。